いま注目の口腔機能発達不全症とは。
2018年12月3日
こんにちは歯科衛生士の大友です。みなさん口腔機能発達不全症と言うものをご存知ですか?
●口腔機能の発達とは?
口腔機能は、乳児が生まれてから哺乳機能にゆって栄養を摂取し、その後成長とともに固形食を摂食する摂食機能を獲得して行く過程において、急激な発達を遂げます。
乳児から学童期にかけては、口腔機能が大きく変化していく時期ですが、口腔機能の発達に何らかの問題や遅れが生じる場合があります。
●口腔機能発達の問題を抱えた子どもたちへの診療拡大
平成30年4月に「口腔機能発達不全症」が病名として新規に保険収載されました。
口腔機能発達不全症とは、「『食べる機能』、『話す機能』またはその他の機能が十分に発達していなく、明らかな摂食機能障害の原因疾患がない。個人因子あるいは環境因子に専門的関与が必要な状態」を示されています。今回、口腔機能発達不全症の病名が導入されたことで、これまで口腔機能発達の問題を有していても救えなかった子どもたちに対する、新しい歯科医療の分野が開けたといえるでしょう。
●子どもの食の問題への心配理由:子ども側因子
偏食する
食べるのに時間がかかる
他 ムラ食い、遊び食い
●子どもの食の問題への心配理由:保護者側因子
子どもが食べやすい食事の作り方が分からない
忙しくて手をかけてあげられない
様々な情報に振り回される
●口腔機能発達不全症の管理
診断をもとに歯科医師は管理計画を立案し、患児、保護者に説明し、管理の同意を得ます。その後、歯科医師、歯科衛生士は訓練や指導を行い、定期的に再評価を行います。口腔機能発達の正常化がなされたか、あるいは改善が見込めない場合には、期間を半年ほどあけ指導、管理を中止しますが、患児のその後の経過によって再開します。口腔機能発達不全症の問題は多様で、歯科医師、歯科衛生士単独では対応しきれないことも少なくありません。それぞれの専門職との繋がり患児と保護者との輪を広げておくことも大切とされています。