2022年03月30日
こんにちは!歯科衛生士の雨宮です。
今日はリテーナー(保定装置)についてお話しします。
歯を動かす矯正治療が終わった後には、リテーナーという装置を装着します。
歯並びは一度矯正治療できれいになっても、ゆっくりゆっくりと元の位置にもどろうとします。
そのため、ワイヤーなどの装置で歯並びがきれいになった後に戻らないようにするための装置が必要になります。
①リテーナー(保定装置)が必要な理由
矯正治療はワイヤーやゴムなどを使用して歯を動かしていきます。
歯と骨(歯槽骨)の間には歯根膜という組織があり、毛細血管が存在します。
矯正装置によって歯に力が加わると、毛細血管から歯根の周りの骨が吸収する細胞や、その隙間に新しい骨をつくる細胞がでてきて、骨の改造現象を繰り返すことで歯が動きます。
そのため、矯正治療が終わった後の歯槽骨はまだ安定してません。また、歯根膜や歯肉などの線維がまだ定着せず、伸びている状況です。そのため、矯正治療によって歯並びがよくなったとしても、周りの組織は治療前の位置に戻そうとする力が働き、後戻りが起きやすいです。
矯正治療直後は特にリテーナーを装着することが重要になります。
装着時間は少なくとも1日12時間以上装着する必要があります。
きれいに整った歯並びを安定させ、キープさせるためにはリテーナーの期間がとても重要になります。
②リテーナー(保定装置)をつける期間
リテーナーの管理は一般的には2年間行う歯医者さんが多いと思います。
当院ではリテーナーになった最初の1年は日中も夜間も使用していただき、安定していれば2年目からは夜間のみと使用時間を少なくします。2年後以降については、歯や歯茎や歯槽骨などは加齢によっても変化しますので、可能な限り長期間の使用をおすすめしております。
年齢によるお口の変化に合わせてリテーナーを微調整すれば、整った歯並びを維持できるほか、後戻りのセルフチェックも可能です。「ちょっときついな」「ゆるくなってきたな」など、ちょっとした口腔内の変化にも気づきやすく、万が一後戻りが起きた場合でも小さな修正で済みます。
さいごに、歯並びがよくなった後のリテーナーは非常に大切です。いつまでもきれいで機能的な歯並びを維持するのも努力が必要になります。