かみ合わせ治療は大切
2025年10月8日
こんにちは
歯科医師の井上です。
動物も歯科検診しているって知ってますか?
私の母校の日本大学松戸歯学部には動物歯科学研究室があり様々な動物の歯について学ぶ授業がありました。
また動物センターでは獣医や歯科医師が犬や猫などご家庭で飼育している動物の歯石除去をはじめとした歯周病治療などもおこなわれています。
先日、馬の歯科検診がありました。
日本では獣医さんが様々な動物の治療を何でも行いますが、欧米では馬の歯科処置を専門に行う専門職の人がいます。
馬の歯科検診の先生はアメリカで馬の歯科治療を学んできた専門医で偶然にも私と同じ苗字でした!
馬は短い草類を食べるのに適した前歯と磨り潰すための大きな臼歯が特徴です。
また、前歯と奥歯の間にハミを咬ませてウマを制御できる構造があります。
馬の歯は年間3~4mmずつ伸びますが、野生の環境では長時間草類を食べるので咀嚼により歯が自然と摩耗し特に問題にはなりません。しかし飼養されている馬は長時間草類を食べる環境に無く、またその運動量を支えるために燕麦などの濃厚飼料を給餌されていることから、咀嚼の時間や咀嚼時の下顎の動きが野生馬とは異なります。そのため歯の過長や変形が認められることがあります。
口腔内の軟部組織(口腔粘膜・舌・歯肉)の創傷、潰瘍の原因になったり、咀嚼障害や消化不良が起こり、全身疾患の原因にもなります。また、変形した歯はハミ受けに影響し、首振り、問題行動のみならず背部痛、腰痛、斜頸の原因となることもあります。
人も生活習慣や習癖によりかみ合わせは日々変化しています。トラブルが起きる前に歯科健診で確認する習慣があると安心ですね。
健康のためにかみ合わせの調整が大切なのは人も馬も同じですね。

















