歯ごたえ
2025年03月25日
こんにちは。
衛生士の栗田です。
皆さんは【歯根膜】ということばをご存知でしょうか?歯根膜とは歯と歯槽骨の間のクッションのようなもので、繊維質で弾力があります。歯にかかる力を吸収するセンサーを備えていて噛む力の調整もしています。この歯根膜に食べ物を噛むときにかかる圧力が「歯ごたえ」だと言われています。軟らかいたべものは少しの圧力を感じながら噛み、固いかったり弾力のある食べ物は少し強い圧力で噛むことで、それらを「歯ごたえ」として感じています。
更に顎を動かす筋肉(咀嚼筋)が実際にものを噛んだ時に感じる感触も「歯ごたえ」に関係しています。筋肉のもつ感覚は大変敏感なので、この二つの感覚を脳に送ると、微妙な食感の違いまで感じることができるのです。
この歯根膜は、歯を失うと同時に失われてしまいます。入れ歯やインプラントが開発され、歯の代わりは色々ありますが、歯根膜についてはいまだ同じ働きをできるものがありません。入れ歯では歯肉が歯根膜の代わりをするようになるとされていますが、感度は大分、落ちてしまいます。
歯根膜は他にも緩衝作用や血液供給の役割があります。これらを失うことで、強く噛みすぎて歯や骨を痛めてしまったり、細菌感染に対する抵抗力も弱くなります。
おいしく楽しい食生活には歯ごたえも大切なスパイスのひとつです。歯を失わなですむように日々のセルフケアと歯科医院での定期健診の二本柱で気をつけていきましょう。